昨日はフィラリアがどういう過程で
犬に感染するかをお話しました。
(フィラリアってどうやって感染するの?)
今日は、予防薬を飲む時期は地域によって
違うけど、なんで???というお話。
それは、地域によってHDUが違うから。
HDUとは?
(Heartworm Development heat Unit)
フィラリアに感染した犬から蚊が吸血と
ともに取り込んだ幼虫(mf)が成長し
犬に感染できるステージの幼虫(L3)に
成長するために必要な温度を算出し
犬に感染可能になる期間を
予測する方法です。
まず、「1日の平均気温-14」
(→1日HDU)を計算し
それをずーっと足し算していきます。
(1日HDUがマイナスのときは0とします)
その足し算の合計が130を超えた日が
感染する可能性が出て来る日です。
感染する可能性がなくなる日は
直近の30日間の1日HDUの合計が
130を下回った日です。
このHDUを目安に予防期間を決めて
いるため、地域によって時期が
ずれるわけです。
私の住む神奈川県藤沢市の2017年の
気温データを元に計算してみましょう。
「1日HDU=平均気温-14」ですから
初めて平均気温が14℃を超えた
4月14日から計算を始めてみます。
14日 15℃-14=1
15日 17.8℃-14=3.8
16日 17.9℃-14=3.9
17日 16.5℃-14=2.5
18日 18.4℃-14=4.4 ...
この計算をずーっと続けていって
赤い数字の合計が130を超えたら
蚊の中でフィラリアの幼虫が犬に
感染できるステージ(L3)に
成長できるわけです。
この計算を続けたところ
130を超えた日は
2017年度は5月20日でした。
今年の平均気温が初めて14℃を
超えた日から計算を開始すれば
130を超える日がわかりますね。
それで、30日間の1日HDUの合計が
130を切った日が、蚊の中でフィラリアの
幼虫が犬に感染できるステージに
成長できなくなる日です。
ただ、知っておいてほしいのは
HDUの合計が130を超えた日から
慌てて予防薬を飲ませる
必要はないということと、
30日間のHDUの合計が
130を切ったから、それ以降はもう
予防薬を飲ませなくていい
ということではないということ。
その理由は次回お話します!
予防薬をいつからいつまで飲ませるか?
というのは非常に重要です。
ですから、予防薬の投与は獣医師の
指示をしっかり受けてくださいね。
続きはまた明日。